おんせん県で週末温泉生活

日々の健康は週末の温泉から。「おんせん県おおいた」の温泉は、心と身体をほっこり癒して整えてくれる感謝の湯。

【別府市】明礬温泉 鍋山の湯~噴煙立ち上る明礬の秘湯

とある晴れた日曜日、大分県別府市にある野湯「鍋山の湯」を利用しました。

 

もくじ

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別府三大秘湯とは

別府市には「別府三大秘湯」又は「別府三大野湯」と呼ばれている温泉があります。

「鶴乃湯」「へびん湯」「鍋山の湯」で、私たちはそれぞれ「鶴」「へび」「鍋」と省略して呼ぶこともあります。

 

www.kakenagashi.site

 

別府三大秘湯の鶴乃湯以外の2ヵ所への道は、明礬温泉エリアから伸びています。

木々の生い茂る道を進みますとゲートがあり、幾つかの注意喚起の看板がありますので、そのことを胸に刻んだ上で進みます。

 

看板の内容は、

鶴見岳・伽藍岳は活火山であること」

「この先で重大な事件が発生していること」

 

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険しい道も温泉の為なら

このゲートを越えると一気に視界が開けますが、道は悪路。

凸凹が激しい砂利道で、自動車の底を擦ってしまいます。

この道を通ることに関しては、車体が低い自動車は、お勧めできません。

そして道が細いので離合が困難。

私は凸凹の穴を避けながら、また遠くからこちらに向かってくる自動車の状況を確認しながら進みました。

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しばらく進むと分かれ道に差し掛かります。

真っすぐ(右側)が「鍋山の湯」、下(左側)が「へびん湯」に続いています。

本当は、今回は「へびん湯」を利用しようと考えていました。

へびん湯の近所には、扇山への登山口もあり、その辺の確認を行いたいと思っていましたが、好天に恵まれた休日は利用者が、そして自動車が多い。

その様子を実際に離合などで体感していましたので、私の進路は自然と「鍋山の湯」になっていました。

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分岐から進むこと約3分、開けたスペースに到着しました。

自動車は3台止まっていましたので、他の利用者が居ることが推測できます。

再度ゲートがあり、道は封鎖されていますが、その脇から入ることが可能となっています。

またこの場所は、伽藍岳への登山口でもあるようです。

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「鍋山の湯」を説明する前に、悲しい事件のことを書く必要があります。

2010年、マイカーで旅を行っていた看護師が、鍋山の湯を利用した帰りに殺害されました。

犯人は捕まりましたが、その影響もあり鍋山の湯はしばらく閉鎖されていました。

 

ここまでの経路上にあった、警戒心をビシビシあおる様な看板やゲート、監視カメラはその影響です。

温泉に罪はありませんが、事件を起こす人間が恐ろしい。

 

鍋山の湯が入浴可能になったという情報は随分と前から知っていましたが、本当に利用して良いものか確証がなかったのでずっと敬遠していました。

しかし「管理している方が浴槽の整備に通っている」「地元の方が毎日訪れている」などの情報があまりにも多く、実際に現地を確認したいという気持ちもありましたので、今回は思い切って足を踏み込みました。

 

浴槽がある場所は火山地帯

駐車場から浴槽までは、徒歩約5分の登り坂を歩きます。

しばらくすると、木々から抜けて視界も開けてきます。目の前には荒廃した岩山が広がり、目の前で噴煙も上がっています。

硫化水素の香りも漂っています。

噴煙が上がっている場所と歩く場所の境が無い為、見方を変えるとかなり危険なエリアだと思いますが、地球の息吹に直で触れている様で、美しくも感じます。


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ある程度登り、ふと左側を振り返れば大きな岩があり、その下に浴槽が設けられています。混浴で建築物はない、開放感抜群の露天風呂です。

 

浴槽は、あつ湯とぬる湯に分かれており、ぬる湯はあつ湯に溜まった温泉が流れてくる様になっています。

湯口付近にはパイプが2本あり、片方は温泉、もう片方は沢の水を引いています。

温度調節は、その沢の水の水量によって行われます。

 

当日は既に地元の方が1名、ファミリーが1組おり、入浴していました。

(女性もいましたが、足だけ浸けて足湯として楽しんでいました。)

服を脱ぐ場所は、浴槽の脇に置かれている板の上。しかし先客が使用していましたので、その辺の岩の上に衣服を置き、タオル1枚を持って浴槽へ向かいました。

 

私はもう「恥ずかしい」と感じる年齢ではありませんが、マナーとして女性の目に入らない様に配慮しながら衣服を脱ぎ、掛け湯を行いました。

そして入浴。

温泉は若干グレーに濁っていますが、細かい砂が混じっています。

泥湯の名残りでしょう、身体に纏わりつく程に濃い硫化水素の香り、驚く程にスベスベになる肌が面白い。

野湯ですから、温泉分析表はありませんが、硫黄泉の他に酸性泉の要素が感じられます。

入浴していた地元の方の加水具合が程よくて、あつ湯は少し熱めと感じる程度の私好みの温度でした。

温泉の香りは、次の日も身体から匂いました。

 

ロケーションも素晴らしい。

遠くに見える別府の街並みと高崎山と海。

標高は500m程度ですが、青空が近いと感じる温泉です。

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そして生卵を片手に次々とやってきて入浴する地元の方々。

他の入浴者に一言許可をもらい、あつ湯と湯口付近のみ撮影させて頂きました。

その写真がこちら。

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湯口の源泉パイプを伝う様に少し登ると、熱い温泉が溜まっている場所があり、卵が浸かっていました。

約10分でできるとのことですが、茹で上がった卵の殻はグレーになっており、味が凄く気になります。

次回利用する時は、卵も必要ですね。

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入浴後、服を着て道なき道をさらに登りますと、「泥湯」と呼ばれている浴槽があります。

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漠然とした表現になりますが、昔は泥が凄かったという鍋山の泥湯。

台風の影響で無くなったというお話を聞いたことがありますが、私が今回確認できたのは、こちらの浴槽のみでした。

手を浸けてみますと水温が低かったので、入浴しませんでしたが、もう少し温かくなりましたら、是非入浴してみたいです。

 

まとめ

素晴らしい温泉でした。

名湯でした。再訪したい温泉でもあります。

しかし、再訪したい気持ちは凄くありますが、この地域で重大な事件が発生しているという事実、実際に亡くなっている方がいるという事実などに、温泉を手放しで喜べない様な複雑な気持ちになりました。

 

その他、「鍋山の湯」や「へびん湯」は悪路や混浴など、様々な意味でハードルが高い温泉だと思います。

鍋に関しては、噴煙も近くで立ち上っていますので、喘息持ちの方は注意です。

 

以上より、別府三大秘湯の入浴は、混浴や野湯に耐性の無い方は、十分に検討が必要な温泉だという事を改めて感じました。

 

鍋山の湯の基本情報

住所:大分県別府市

アクセス:大分自動車道「別府IC」より、自動車で約30分

 

泉質:酸性泉と硫黄泉と硫酸塩泉?(私の予想)

 

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