2016.10.02作成
2018.09.11更新
ご紹介した温泉の補足になるように、泉質について記載します。
単純温泉
掘削技術が進歩した影響で、日本で一番多い泉質、それが「単純温泉」です。単純温泉は、「単純」という単語が入っていますが成分が単純という訳ではありません。温泉法の基準を満たす「温泉」に該当しますが、含有成分の量が基準値に達していない温泉のことを示します。
この様な表現をすると、「成分が少ない残念な温泉」と考える方もいるかと思いますが、「含有成分が少ない」は身体に優しいを意味する為、実は侮ることはできない素晴らしい温泉なのです。
一言で言うと、高齢者や子供に優しい「家族の湯」です。幼児の温泉デビューには最適、肌のデリケートな方でも湯当たりせずに楽しめます。まさにオールラウンドな温泉なのです。
また含有成分が少ないと言っても、実際には入浴剤と同等かそれ以上の効能があります。入浴剤の溶存物質量が約150mgと言われていますので、溶存物質量が750mgの温泉は入浴剤を5つ入れたお風呂に入っているのと同じ事になります。
補足:一般的な入浴剤は200リットルの湯に約30gの成分が入っていると言われています。お湯1リットルを1kgとして計算し、200kgに対し30gですから、1リットルに対し150mgとなります。(X=30/200=0.150g→150mg)
一般的適応症
筋肉若しくは関節の慢性的な痛み又はこわばり(関節リウマチ、変形リウマチ、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)、運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下、軽症高血圧、耐糖能異常(糖尿病)、軽い高コレステロール血症、軽い喘息又は肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ病など)、病後回復、疲労回復、健康増進
ちなみにpH値が7.5以上で弱アルカリ性、8.5以上でアルカリ性となり美肌効果が追加されます。「アルカリ性単純温泉」との表記は「美肌効果のある、身体に優しい、家族の湯」とイメージしてください。
この単純温泉は、含有成分の硫酸イオンが基準値以上であれば「硫酸塩泉」、炭酸水素イオンが基準値以上であれば「炭酸水素塩泉」という感じに、それぞれ名前が変わります。
また表記は単純温泉ですが、成分はほぼ塩化物泉と同等などと言うことも良くあります。一口に単純温泉とくくってしまうのはあまりにも勿体無いと最近感じます。あまりクセもありませんので、毎日入浴するなら私は単純温泉が良いなとも感じています。
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